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中古太陽光発電所の購入で失敗しないための注意点 — 38基を保有する当社の視点
なぜ今、中古発電所なのか
新規のFIT認定が縮小した現在、稼働済みの中古(セカンダリー)発電所は「高いFIT単価の残存期間を買える」投資対象として注目されています。すでに発電実績があるため、新設と違って「本当に発電するのか」を実データで確認できるのも利点です。
一方で、中古ならではの落とし穴も数多くあります。当社はグループ・関連会社を含め38基の発電所を保有・運用していますが、案件を見る際に必ず確認しているポイントを紹介します。
チェック① 発電実績 — シミュレーションではなく実データを見る
中古案件の最大の強みは実績データが存在することです。必ず過去数年分の月次発電量を取り寄せ、次の点を確認します。
- 当初シミュレーション比でどの程度の水準か(大幅未達なら原因の特定が必須)
- 年々の低下率が自然な劣化の範囲か、それとも異常な落ち込みがあるか
- 特定の月・時期だけ落ちていないか(故障放置・雑草影・汚れの兆候)
- 売電収入と検針票の整合 — 資料上の数字と実際の入金は一致しているか
チェック② 設備の状態 — 「動いている」と「健全」は別物
稼働中であっても、設備の消耗度合いは案件によって大差があります。現地確認と点検記録の両方で見るのが基本です。
- パワーコンディショナ — 残り寿命と交換費用。保証の承継可否は要確認
- パネル — 目視でのガラス割れ・焦げ跡に加え、可能ならIVカーブ・ドローン赤外線点検
- 架台・基礎 — 錆、ボルトの緩み、地盤の沈下や法面の崩れ
- ケーブル — 被覆の劣化、盗難対策の有無(銅線盗難は近年多発)
- 雑草・排水 — 管理状態はO&Mコストの先行指標
チェック③ 権利関係と手続き — 紙の確認こそ本丸
設備が健全でも、権利関係に瑕疵があれば投資として成立しません。売買契約の前に必ず確認します。
- 土地 — 所有か賃借か。賃借なら残存期間・地代改定条項・相続時の扱い
- FIT認定 — 認定内容と実際の設備が一致しているか(無断変更は認定取消リスク)
- 事業計画認定の名義変更手続きと、電力会社との連系契約の承継
- 近隣関係 — 過去のクレーム・協定の有無。パネル反射や雑草での紛争は珍しくない
- 廃棄費用積立 — 外部積立の状況と承継
チェック④ 収支計画 — 利回りは「買った後のコスト」で決まる
表面利回りだけで判断すると失敗します。残存FIT期間で回収できるか、O&M費・保険・修繕引当・パワコン交換・土地代・税金まで織り込んだ実質ベースで試算してください。特に中古は取得直後に修繕がかさむケースが多く、購入価格に「直すべき箇所の費用」を織り込んで交渉するのが実務の定石です。
まとめ
中古発電所の評価は、①実績データ、②設備状態、③権利関係、④実質収支の4点セットで行うのが基本です。逆にいえば、この4点を丁寧に確認すれば、中古は実績で裏づけられた堅実な投資対象になり得ます。私たち自身、発電所のオーナーとして同じ目線で案件を見続けています。