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PVケーブルのサイズ早見表 — 2sq/3.5sq/4sq/5.5sqの使い分けと選び方

PVケーブルのサイズは「太いほど良い」わけではない

PVケーブル(太陽電池用ケーブル)を選ぶとき、多くの方が最初に迷うのが sq(スケア=導体断面積 mm²)の選定です。太陽光の現場では 2sq・3.5sq・4sq・5.5sq あたりがよく使われますが、「とりあえず太くしておけば安心」という選び方は、実はコストと施工性の面で得策ではありません。

太いケーブルは電気的には余裕が出ますが、材料費が上がり、重く硬くなって取り回しやコネクタの圧着難度も上がります。逆に細すぎれば発熱や電圧降下(ロス)のリスクが増えます。適切なサイズは、①許容電流(安全に流せる電流)と②電圧降下(配線での電力ロス)という2つの軸から、現場の条件に合わせて決まります。

サイズ早見表 — よく使うsqと使い分けの目安

まずは実務でよく使われるサイズと、その使いどころを整理します。ストリング電流や配線距離は案件ごとに異なるため、これはあくまで「当たりをつける」ための目安です。

  • 2.0sq — 短距離・小電流の区間や、モジュール間のジャンパー配線など。使いどころは限定的
  • 3.5sq — 一般的な結晶シリコンパネルのストリング配線で広く使われる標準サイズ
  • 4.0sq — 標準〜やや余裕を見たい配線に。国内での流通量が多く入手しやすい
  • 5.5sq — ストリング電流が大きい、または配線距離が長く電圧降下を抑えたい区間に
  • 6.0sq以上 — 接続箱以降の集電幹線など、電流が大きくなる区間に

軸①:許容電流 — 「条件つきの数字」であることに注意

許容電流とは、ケーブルが過度に発熱せず安全に流し続けられる電流の上限です。選定の基本は、ストリングの最大電流(短絡電流に安全率を見込んだ値)に対して、許容電流が十分な余裕を持っていることです。

ここで大事なのは、許容電流はケーブル単体で一律に決まる数字ではないという点です。同じ断面積でも、敷設方法(気中・電線管内・ケーブルラック)や周囲温度によって許容電流は変わり、温度が高いほど下がります。屋根置きや夏場の高温環境では、カタログの基準条件より厳しくなることを見込んでおく必要があります。PVケーブルはXLPE系など耐熱性の高い絶縁材が使われ、一般的なビニル電線より高い温度まで許容される製品が多いものの、実際の値は必ず各製品の仕様書で確認してください。

軸②:電圧降下 — 配線が長いほど効いてくる

もう一つの軸が電圧降下です。ケーブルには抵抗があるため、電流を流すと配線の両端でわずかに電圧が下がり、その分が熱として失われます(発電ロス)。この電圧降下は「電流 × 配線長 × 抵抗」で効いてくるため、配線距離が長い区画ほど無視できなくなります。

実務では、パワコンやパネルから遠い区画だけをワンサイズ太くして電圧降下を抑える、といった使い分けがよく行われます。「基本は3.5sqか4sq、遠い区間だけ5.5sq」のように、全体を一律にせずメリハリをつけるのがコストと効率の両立につながります。なお近年主流の直流1500Vシステムは、電圧が高いぶん同じ電力でも電流が小さくなり、電圧降下の面では有利です。

迷ったときの実務的な決め方

サイズ選定でつまずいたら、次の順序で考えると整理しやすくなります。

  • ストリングの最大電流を把握する(パネルの短絡電流に安全率を見込む)
  • 許容電流に十分な余裕があるサイズを、敷設条件・周囲温度も踏まえて選ぶ
  • 配線距離が長い区画は電圧降下を計算し、必要ならワンサイズ上げる
  • 施工性(取り回し・コネクタ適合径)と在庫・入手性も併せて確認する
  • 最終判断は設計者・施工者と共有し、各製品の仕様書の数値で裏づける

サイズと同じくらい大事な「品質」と「調達」

sqが決まったら、次は品質です。PVケーブルは30年間屋外で直流を流し続ける部材のため、S-JET認証(国内の第三者認証)、DC1500V対応の明記、耐候性(耐UV・耐オゾン)、錫メッキ軟銅線などの構造を確認しておくと安心です。この点はコラム「1500V対応PVケーブルの選び方」でも詳しく解説しています。

加えて現場で効いてくるのが調達の柔軟性です。必要長は図面値より余裕を見て発注する、切売り・小口に対応できる仕入先を押さえておく——このあたりが「工期直前にケーブルが足りない」を防ぎます。当社では埼玉倉庫にS-JET認証の1500V PVケーブル(PV-CC)を在庫し、即日出荷・小口注文に対応しています。

まとめ

PVケーブルのサイズは、①許容電流に余裕があること、②配線距離に応じて電圧降下を抑えること——この2軸で決めるのが基本です。早見表はあくまで当たりをつけるための目安で、許容電流は敷設条件と周囲温度で変わるため、最終的には各製品の仕様書で裏づけてください。太さは「安全に足りる範囲で、ムダなく」が正解です。サイズ選定や調達で迷ったら、お気軽にご相談ください。